肉・卵・チーズだけでいいのか
「野菜中心」をやめなさい ~肉・卵・チーズのMEC食が健康をつくる
- 作者: 渡辺信幸
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2014/12/08
- メディア: 単行本
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久々に書評です。
今までに体重制限とか、血糖値コントロールとかの食事療法に関するものには必ず「カロリー」というものが登場しました。
この本ではそもそも「カロリー」と体重や血糖値などは関係がないことをバッサリ切っています。
さらに巷でよく使われる「ヘルシー」という言葉。
野菜を食べろ、玄米がいい、スムージー、低脂肪、食物繊維など身体に良さそうな言葉もメディアと企業による広告が大きく、根拠はないとさらに切っています。
結論は「肉」と「卵」と「チーズ」だけ食べて入れば、必要な栄養素が得られる。
必要な栄養素とは、タンパク質・脂肪・ミネラル・ビタミン。
ここには炭水化物は含まれていません。
それどころか炭水化物は糖であり、糖質は身体で作り出すことができるので、炭水化物も糖質も取る必要なはないと言っています。
炭水化物・糖を取らなくていいということは。
ごはん、そば、うどん、そば、パスタ、ラーメン、パン、いも類、お菓子、揚げ物の衣などなど。
およそ外食の大部分と、スーパーやコンビニで売られているものの大部分は必要のないものということになります。
この本の著者は離島で医療をしていた医師で、脳卒中や心臓病などの患者に対し、本土からのヘリコプターが救急対応できないことに悩んでいたそうです。
そしてそうならないための予防の医療に興味が向かうことになります。
本の内容で面白いのは、今までの健康法が間違っているということをそれぞれ根拠となるものを元に説明していること。
引用は、実験のデータや医学論文などです。
歴史を知ることは重要だと感じます。
そして文章の至る所に実際の患者さんの例、こういう食生活をした結果、血液データがどう変化したかなどが示されています。
症状の改善も、頭痛やめまい、倦怠感、生理痛、生理不順、心のもやもや、アレルギー、皮膚の炎症などいろいろ挙げられています。
文章は専門用語が少なく、とても読みやすいと思いました。
個人的な考えとして。
以前に糖質制限の本を読んだ時に納得したのは、人間が穀物を栽培し始めたのが、人類が登場してからの歴史を考えると非常に短いこと。
(500〜600万年前に人類が誕生したとしても、穀物栽培は数千年前くらい)
それまでは肉食(魚)+わずかの菜食であったということ。
栄養素を分解する消化液は糖質(炭水化物)は少なく、タンパク質が多いこと。
実は主食である穀物(ごはん、パン、麺類)は必要とは言えないのでは、という説明が腑に落ちました。
さらに脂肪についても、脂肪はいくらとってもよくて、皮下脂肪や内臓脂肪は糖が分解しきれない場合に脂肪として蓄えられるとのこと。
実は脂肪ってホルモンやら細胞成分やら必要なものだと思っていたし、脂肪がないと肌がしわしわになるのでは、と疑問にも思っていただけれど。
糖質制限はちょこちょこ実践していて、ここ1年位は1日にごはんを食べない日も多いです。
「肉・卵・チーズ」も少しづつ実践しています。
ごはんなどに比べると、もっともっと食べたいという感じが少ない気がします。
もっといろいろな変化が出たら、改めて報告したいと思います。
ただこの食事法の欠点の1つは。
穀物に比べると肉・卵・チーズの価格が高いということ。
食欲が減れば、食事量が減るから解決するらしい流れだが。。。
そもそも穀物の生産によって、食べ物が蓄えられて、人類が文明を起こしたと考えると、完全に穀物を断つというのは、人口増加の流れと逆光してるかも。
考え方としては面白いと思います。
糖尿病で悩んでいる人は試すべきだと思います。
糖尿病については、またどこかで書きたいなと思います。