鍼灸院のブログ

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学会2

日本神経学会での具体的な発表の方です。
備忘録も兼ねるので、主観的ですし、聞き違えもあるかもしれないので、
学会に参加された方で、万が一ブログを見ている方がいましたら、
コメントで訂正してください。
(スライド速くて、全部はメモしきれなかった)
というより、ほぼ自分用のメモです。

埼玉医科大学東洋医学センターの山口先生の発表。
発表慣れしている感じで堂々としていました。
鍼灸師の方にも、医師の方にも分かるような発表のされ方でした。

埼玉医大鍼灸外来は、ベル麻痺、緊張型頭痛、脳血管障害の順で多く、
70〜80%で有効である。
頭痛に使う穴:天柱、風池、完骨、肩井、膏肓、肩外兪
顔面神経麻痺に使う穴:頭維、頷厭、懸顱、懸釐、頬車
頭痛の男女比:3:1くらいで女に多い。
肩こりと頭痛には連関がある。
サーモグラフィーと電子瞳孔計(瞳孔の大きさを計測)で評価する。
刺針により、筋血流が増加、皮膚血流が増加、心拍数が減少、収縮期血圧が低下。
三叉神経→三叉神経脊髄路核→視床視床下部・中脳水道灰白質:ASL(Arterial Spin Labeling)
刺針は側頭筋・板状筋・僧帽筋・咬筋の4箇所を両側。
始め、5分刺激、10分刺激、15分置鍼、30分置鍼で比較。
血流が増加したのは、視床下部、弁外部帯状回(??)、島内側、頭頂葉内側楔前部

東大リハビリテーション部の粕谷先生の発表。
緊張されていたのか、早口でした。まだお若い風貌(??)にびっくりしました。
どちらかというと医師の方を意識された発表で、熱意がこちらにも伝わってきました。

構成員:医師6名、コメディカル40名(チーム医療を強調されてました
    理学療法士17名、作業療法士4名(精神専門1名)、言語聴覚士4名、視能訓練士3名
    臨床心理士3名、鍼灸研修生4名
頚椎症やリウマチの方が多いのが特徴。
入院患者さんからの流れは、腰椎圧迫骨折、末期がん、リウマチなどが多く、疼痛緩和目的。

糖尿病性神経障害1例に対する鍼灸のアプローチ:HbA1c7〜8%
痛覚過敏→痛覚低下・触圧覚過敏→触圧覚低下の経過
膝窩動脈の内側の圧痛点に1〜2cm刺針&ひびき、痛電で足底屈する。
承筋・承山など

1年半でABI0.7→0.9くらいに完全(正常0.9〜1.3)
1例なので、鍼単独の効果とは言い難い。
ASOはフォンテイン分類Ⅱ度あたりまでがいい。
CRGP上昇、CPT上昇、ソルビドール増加→神経変性→神経血流・機能の改善

明治国際医療大学伊藤和憲先生
2009年までトロント大学の神経生理学

頭痛、パーキンソン、脳血管障害、アルツハイマージストニア、末梢神経障害
鍼灸治療
不安な精神状態に対し:セロトニン上昇(背側髄線核や線条体で増加)、ノルアドレナリンSSRI)扁桃体に投射
痛みに対し:視床下部線条体などに、βエンドルフィン、エンケフェリン、ダイノルフィン(順に周波数が〔低〕〜〔高〕
運動機能に対し:線条体、側座核でドーパミン上昇
筋緊張に対し:Ⅰa、Ⅰb抑制、筋血流の改善、脊髄の運動ニューロンの抑制効果、筋電図が著明に出なくなると自覚的に改善を感じる、
パーキンソン病の動画:頚部〜腰背部への刺針、1回で著明改善例あり(歩行の方向転換時の小刻みの歩容)
うつ病に対し:鍼通電療法、ラットに強制水泳をさせて評価、うつになるとラットは動かなくなるため、ラットのもがく時間を見る。鍼治療ではドーパミン(??)の出る量は少ない。

慶応大学医学部神経内科、鳥海先生
鍼灸に関して、普通の医師が疑問に思う点を代弁してくださるような発表でした。
また脱薬物という観点からも発表していたような印象でした。

頭痛:有病率8%、痛みがあっても必ずしも医療機関にかからない
トリプタンに対するノンリスポンダーの存在(要するに薬が効かない)
疫学:アメリカ4.1%、ドイツ8.1%の成人が頭痛を経験
疼痛性疾患:頭痛、月経病、線維性筋痛症、筋膜性疼痛など
緊張型、偏頭痛、鍼灸で狙う所は両者に区別はない。
(山口先生は咬筋は特異的)
CSD(Cordial Spreading Depression):偏頭痛の前兆??
筋緊張が亢進するとCSDの発生増加
Kcl(実験ではカプサイシン)の量を多くして刺激するとCSDの発生増加
抹消(三叉)神経の刺激により、脳表面のCSD発生閾値は下がった。こりがあると感知して、三叉神経の閾値低下があるのでは。

温知会間中病院、真中信也先生
噂の間中先生。好々爺という感じで、素人にも分かりやすく東洋医学を説明。
1940年頃に医学部卒業??

気血津液:気=神経伝達物質、血=内分泌、血液、循環、津液=水分、免疫
偏頭痛:ノルアドレナリンが止まる→セロトニンにストレス→ドーパミンにストレス
三者神経伝達物質の関係を色分けして説明
気=機関車、血・水を率いて、駅(ツボ)へ停車
TOPO治療:40分、20分で落ち着く
天柱ブロック:頭痛→こり→筋硬度計50以上
TNC(三叉神経、頚部神経〜C2で)
天柱マッサージ:中指を天柱にあてて、残りの指は頭にかぶせてマッサージ
頭痛体操:頚部は正面をむけたまま肩をまわす
天柱トリガーブロック:両側天柱と肩井に27Gで0.5mm
MEP-block:スティミュレーターで一番数値が高い場所を探す。高い場所は筋膜下にある。
Mellickのブロック治療:C6、C7の傍棘突起の少し下、効果すごい、埼玉の筋浩澤先生の秘密のツボ