鍼灸院のブログ

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徒弟制度と年功序列

ホリエモンこと堀江貴文氏が、「寿司職人が何年も修行するのはバカ」という類のことをツイッターで発言してるとの記事がありました

「何年も修行しないと身につかないのはバカだから」
「そんなことよりセンスが大事」
「下積みをさせるのは、経営者が安く労働させるため」

という趣旨の発言のようです。


堀江氏らしく合理的な表現ですが、すごく納得がいく意見です。


たしかに英会話などの語学を習得するならば、英会話教材を1日1時間毎日聴き続けるよりも、3ヶ月位日本語が話せない場所に短期留学して、日本語も分かるネイティブの先生にマンツーマンレッスンを受けたほうが速く上達するように思います。


スポーツなんかもフォームなんかを見て的確な指示をくれて、うまくなるためにはどうすればいいかが自分でも理解できて、反復練習していく方が独学よりも習得が速いと思います。


スポーツでも料理でも何でもそうですが、「目で見て覚える」というのはある程度習得できているからこそできることであって、何もできない状態の時は人から教わる、そしてそれを即実践、うまくいかない所を指摘を受けるというパターンが最も習得が速いような気がします。

だから勉強が出来ない子には、予備校(見て覚える)でなく家庭教師(マンツーマンで指導)なのです。

とはいえ、人から教わるだけだと、自分で考えたり研究したりしなくなる傾向もあるので、どこかで「目で見て覚える」的な部分も習得する必要はあるでしょう。


すし職人のような徒弟制度に関して考えてみると、これはこれでなかなか合理的な制度ではあります。


昔は読み書きそろばんができるくらいになったら、すぐに職人として奉公先に住み込みで入って弟子入りします。
(農家の家は長男が家と土地を相続するので、末子は家を出るという事情もあると思います。


この時点ではまだ何も知らない子供みたいなものです。
そこで目上の人への接し方。
掃除や洗濯などの身の回りのことをすること。
仕事に関する基礎的なこと、などを生活しながら学んでいきます。
住み込みなので、最低限の衣食住はただ。
給料もほとんどないでしょうから、自分の技術を磨くことに専念できるし、これがある種の教育なわけです。


それから、何年経つと食材を切るだとか、焼き方煮方になるなど年数が経つごとに新しい技術担当となり、いわゆる出世をしていく。
そして10年とか一渡りの年月が経つと独立していく。
そして自分の下に同じような弟子を持っていく。


弟子は安く働かせるとは言っても、将来的には自分も同じようにしていくのでシステムとしては合理的です。
サラリーマンの年功序列なんかも、やってることは全く違いますが、結構これに近い感じがします。


これらのシステムが崩れたのは、あらゆる情報が広くやり取りできるようになったからだと思います(出版・テレビなどのメディア→インターネット)。
徒弟制で教えている内容を講習会と称して、お金をだして買えるようにもなりました(皆がやるようになると、質の部分でもピンきりですが)。


職人的な仕事が一般的になると、勤め人から個人業という流れも進むかもしれません。
徒弟制度と年功序列、10年後にはどのくらいの比率になるのでしょうか。