鍼灸院のブログ

旧ブログで現在更新は停止してます

鼓膜が破れた→治った

こちらの休眠していたブログを久々に復活させました。

こちらでは、いろいろ自由に書いていこうと思います。

今回自分がものすごく困った経緯から、鼓膜が破れた経験談を書きます(個人的一体験談として)。

子供の経験談は多いのですが、大人の経験談は意外とそこが知りたいという部分がないので、参考になればと。

かなり長文です。

そして詳細に書きたいので、横道にもそれます。



今年の3月11日に鼓膜が破れたのですが。

原因は。。。耳かきです。



自分でも何が起こったのか分からなかったのですが。

アッと思ったとき、ズボっとかなり奥のほうまで刺さった感がありまして。。。

鈍い痛みがあって、瞬間的にやってしまった、と思いました。



さて、ここで冷静にゆっくりと耳かきを抜けば良かったのですが。。。

とっさにそれはできず。

一気に抜いてしまいました。

(これでおそらく穴が広がった)

抜いた後、トンネルに入ったときの「ゴーッ」という音がして、これはやってしまったなと。

あとで知ったのですが、耳かきは耳かき器でするものではないらしいです。

日本では、猫耳つけた耳かき屋さんとかあるのにね。



耳が破れたときの不安感というのは、体験しないと分からなくて。

(これは目とか鼻とかもそうだと思う)

鼓膜は自然治癒すると書いてあっても。

1ヶ月、2〜3ヶ月、でもそれは回復したからブログとかに書いてるんで。

回復しなかった人はそのまま人にも伝えないんだろうなーと。

現にしょっちゅう海底に潜ってる同級生がいて、こっそりと実は鼓膜が破れたままと打ち明けられたことがあります。



耳が聞こえにくいというよりは、耳鳴りと耳が詰まった感じが不快と不安なんですね。

(しいて言えばプールで耳に水が入ったままな感じが近い)




さて、その翌日は木曜日で耳鼻科は軒並み休み。

仕方ないので病院に行きました。

本当に10年ぶりくらいではないかな。

木曜はおそらく病院の先生も休みなので、非常勤で木曜のみの先生でした。

それにしても、病院は待つねー。

内情は分かるけど、これは通うのは大変だ。



曜日の関係で非常勤の先生でした。

問診の時、一度も目を合わさなかった。

話もたどたどで人見知りのおじさんみたいな(笑)。





写真見て、大きな穴が空いていると。

どのくらいですかと聞くと「1/5」と。

「それは厳密でなくて、鼓膜の面積あたりのってことだから」指差しながら。

「どれですか」と聞くと、「さっきいったでしょ、これ」と切れられる。



そして、説明。

・鼓膜が再生するまでほっとくしかない

・1ヶ月位で再生する

・再生しない場合は手術になる。


ちょっと驚いたのは、当然聴力検査をやると思ったらやらなかったこと。



そのまま診察室の外に出ると看護婦さんがフォローで説明してくれました。



薬はビタミンB12と消炎鎮痛剤。

ビタミンB12だけ4日間飲んだ。



4日後、再診。

今度は常勤の先生で、しっかりこっちを見て説明してくれました。

ただ状態は変わらず。

やはり1ヶ月待つだけとのこと。

今回は聴力検査もしてくれた。



画像を拝借しました。

難聴(耳が聞こえにくい)には、2種類ありまして。

1つは耳の穴から伝わっていく経路。

鼓膜というのは太鼓みたいなもので。

太鼓の膜(鼓膜)に振動が伝わると、奥の骨を通じ、さらにその奥(内耳)へと振動が伝わり。

内耳から神経に刺激が伝わって音が聞こえる。

この機構によって、音が増幅されているという緻密な仕組み。

この経路のどっかがやられるのを伝音性難聴(でんおんせいなんちょう)という。



それに対して、耳の奥(内耳)にある神経細胞が直にやられてしまって聞こえない場合がある。

これを感音性難聴(かんおんせいなんちょう)という。

神経はやられてしまうと再生しないのでこっちは深刻。

突発性難聴とかはこっちですね。

内耳の方はカタツムリ型の蝸牛という聴力器官以外に、前庭や三半規管という回転運動やバランスを司る器官もある。

だからこっちがやられると、めまい(車酔いとかそう)とか吐き気がする訳で。



さて音が伝わる経路は2経路あって、

鼓膜の方から伝わっていく経路(こっちが伝音性難聴の経路)と、

頭の骨に音の振動が伝わっていく経路(こっちが感音性難聴の経路)がありまして。



聴力検査でそれらの2つの経路の音が聞こえるかを見るのですね。

僕の場合は鼓膜の方の経路のみ聞こえが悪いと思ったら、

検査結果は骨伝導の経路の聞こえも悪いようで。

先生は耳の神経細胞が死んでしまう可能性を考えて、

ステロイド(炎症止め)、血流改善、薬によって胃があれない薬、痛み止めの4種類の薬を処方してくれました。



聴力検査は、ヘッドホンをして、いろいろな周波数の音が聞こえてくるので、

聞こえ始めたらボタンを押して、聞こえなくなったら離すという感じ。

昔学校とかでやったけど。

これは初めて(かなり久しぶりに)やると、音を押すタイミングが分からなくて、

あ、なんとなく聞こえるような気がするけど、これは押すべきなのかと迷ったりして。

だから検査も厳密ではなかったかもしれないと思いました。



診察後に、携帯電話で時報を聞いたり、自分で声を出してみて左右の差を比べてみたけど。

耳が詰まってる感じが強いから聞こえにくい感じがするだけで、

そんなに聴力に違いはない気がしたんですよね。



まあ先生の指示に従って。

薬を飲みました。

ステロイドを飲むのは初めてでした。

リウマチの患者さんとか飲んでたりとか、さんざん見たけど。

私の場合は身体がかゆくなりました。

先生は離脱のために、1日3回→1日2回→1日1回と徐々に減薬するように処方してくれました。



それから1週間後(発症後10日)。

毎日携帯電話の音の聴き比べ、その他の音の聴き比べ、耳に指をつっこむ(鼓膜が破れた方は「ゴーッ」という音がする)、聴診器で聞こえる音を比べる。

などなど、いろいろ聴き比べていました。



でも耳の閉塞感や聞こえ方みたいなものはあまり変わらなかったような気がしました。

たぶん変わってないだろうと思い、病院に行っても手術の提案をされるくらいだと思い、もう少し待ってみることにしました(再生に1ヶ月と言われましたし)。



さてここでなぜ病院にも行かず、私が不安にならなかったかというと。

以前視力の矯正手術をした際の経験で。

身体に変化が起こってきたり、状態が安定するのにはある程度の時間がかかると思っていたからです。

そもそも薬は炎症を抑えるもので、鼓膜の再生を促進するものではないので、1度検査した以上待つしかないと割り切れたんですね。

ステロイドも5日間飲み続けて、ほとんど変化を感じなかったので、これ以上飲んでもしょうがないかなと。

ならば病院に行ってもしょうがないかなと思ったのです。



それから病院の先生に注意された、入浴の際に耳に水が入らないようにすることだけは注意しました。

水が入ると中耳炎になって悪化するので。

最初は耳栓をつけて、耳を下に向けてシャワーを使っていました。

後にティッシュを丸めたのものにしました。

そのくらいでも水は入らないですね。



最初は不安だったのでシャワーの方向とか気にしてましたが、だんだん気にしなくなりました。

入浴後にティッシュを抜いて、耳のなかに乾いたのを入れて、水分を拭きとったくらいです。



タンパク質を摂取したほうがいいという話もありましたが、特に気にしませんでした。

耳が良くなるようにと、耳の方に意識を向けるというのは時々やっていました。

これは施術の際に、意識付けというものの重要性を痛感していたからです。

でもその他にやったことはありません。



発症から3週間までの間。

状態はほとんど変わった感じはしませんでした。

私の場合は、聞こえ方はそんなに変わらない。

ただ耳の閉塞感や耳鳴りがあったので、破れたほうが聞こえにくいという感じ。



耳鳴りは、圧によって変化しました。

閉じられた部屋、人の密度などによって耳の中の「ゴーッ」と鳴る感じが変わるんですね。

それで話し声が分かりにくかったりします。

耳の悪い人の気持ちが本当によく分かりました。



それから耳や鼻など穴の空いている感覚器官というのは、気圧などによってすごく影響を受けることも感覚として分かりました。

頭痛などもこの延長線上で考えられるかもしれません。

(私は大丈夫でしたが、この耳鳴り感で頭痛が起こりそうな感じがします)

腰痛や膝痛もやはり気圧が関係ありそうですね。



あとは静かな所にいくと、小川が流れるような音に変わります。

夜になるとさらに聞こえやすくなります。

あとは寝るときの頭の向きで、耳の閉塞感が変わったりとか。

いろいろ試してみました。



1つだけ意識していたことは、絶対耳は元に戻る、とそれだけは信じていました。

これは腰痛なんかと同じなんですよね。

治らないと思ってると治らないんです。

科学的な話ではないですが。



3週間もすると、不都合な状態にもだんだん順応してきましたが。

その後で変化が起こりました。

ゲップをすると耳の鼓膜のあたりに痛みがでるのです。

これは普通の人だと、「痛いから悪化した」と考えるかもしれまえんが、私はそう思いませんでした。



私は自分が痛みの治療をし始めてから、「痛み」=「身体の変化のシグナル」と捉えていたので、これも鼓膜になんらかの変化が起き始めたのかなと思いました。

それから4週少々、今ブログを書いているときも続いていますが、痛みは減少してきました。

またそれと同時に、ときどき耳の閉塞感がなくなってクリアになるようになりました。

密度の高い所に行ったりとかすると、また出てきますが、閉塞感がなくなる時間の割合が増えてきました。



そして約1ヶ月たって(再生の目安と言われた)、本日久々に診察に行ってきました。

「聴力検査の」1週間後に来る予定でしたよね」と看護師さんに言われましたが、怒られはしませんでした。



聴力検査。今度はやり方もばっちり。

結果も左右差なく正常。

鼓膜。かさぶたみたいなのがあるけど、95%くらい元通りになっているそうです。

自分の感じと検査結果が一致している感じですね。



何だかんだ言ってもほっとしました。

ちなみに私の鼓膜の穴は1/5というもののそこそこ大きかったのですが、耳の奥の細胞(内耳)の方向に穴が空いていたのではなかったので、すごい重症ではなかったようです。

まあそれもこの結果になったからですけどね。



私が視力矯正の時と今回のケースで大切だと思うのは、

「気にしないこと」「絶対良くなると思うこと」つまり気にしすぎず「待つこと」だと思います。

他の症状と同様「ストレス」が最大の増悪因子だと思ったので。



そうそう鍼治療なんかも自分でやってみましたが、これはまた別の所で書ければと思います。

ちょっとした変化を実感しました。



その後の経過については、1ヶ月後にもう1回病院に行くので、また書きたいと思います。




最後に。

医療費(保険診療)って本当安いなーと思いました。

私はほとんど保険の恩恵に預かる機会があまりなかったので、今回初めてそう思いました。


追記
それから1週間後の経過
http://d.hatena.ne.jp/hiro2315/20150507/1432002064
分かりにくいのでリンクを貼ります。