鍼灸院のブログ

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活法2

以前の記事に書いた活法。
http://d.hatena.ne.jp/hiro2315/20120415/1334489392

寺子屋的に7人という小人数の勉強会ですが、本格的に始まったのは2回目。
今日は捻挫の治療でしたが、一つ一つの症例に対応するというよりは、身体を全体的に診るという視点が面白いです。

たとえば腰痛という症例一つとっても、腰痛の治療は最初にこうして、次にこうして、次にこうするという決まった型があるわけでなく、身体を総合的に診て原因を追究し、それに対して多種あるうちの技のどれが適応するかを当てはめて、治療をしていくというスタイルです。

これは、実は理学療法の世界の姿勢観察、動作分析という観点とかなり近いものがあります。
そもそも日本の伝統的治療は、整体とか接骨とかそういうものが元となっており、理学療法は日本に入ってきてからまだたかだか50年くらいな訳で。日本的な手技治療のスタイルは、形は違えど共通する部分があって、当然なのですが。

理学療法の場合は、たとえば歩き方などを見て、不自然な所などを見つけ、個別に原因を追究していくトップダウン方式の評価法を大体皆行っているのではないかと思います。

初心のうちは、たとえば腰が悪かったりすると、腰ばかり見てしまったりするのですが、人間の身体というのは、下に不調があると上に影響が出てきたりするものです。腰が痛ければ、当然足の方に影響が出ます。
そう考えると、視点は足の方から上へ上へとつめていく方が効率的だと、ずっと思っていました。
そのことを活法の先生に聞くと、やはり70%の原因は下半身で、足の真ん中の骨がまた原因になることも多いというようなことを、仰っていました(骨・関節・筋肉などの運動器の症状の場合)。

あと、興味深いのは、病気の原因が人の認識に大きく左右されるというような所。
たとえば、足をどこかにぶつけて痛い思いをしても、その痛みを忘れてしまえば、その後は何ともなかったりすることもあり、また一方で痛みをいつまでも引きずって、足の痛みを意識しすぎると、姿勢が崩れ、身体の歪みが生じ、それが二次的な障害を引き起こしたりもする訳です。

普通に生活していた人が、病院で健康診断を受けて、ささいな異常が発見された結果、その次の日から症状が悪化したりなど、臨床ではとてもよく見かける風景です。

結局、治療者側が行うことは、その人が訴えている症状の方向性を位置づけたりすることで、あとは本人が持ってる自然治癒力が大きかったりします。
もちろん治療者側が多くの情報から的確な分析をしなければいけないのは不可欠だと思いますが。

こんな感じで勉強会は6年に渡って続くようです。まあ医療系の業界に入った時から、「給料の半分は勉強に使え」「一生勉強」などと言われているので、月日はすぐに過ぎると思います。これからの臨床に積極的に取り入れていきたいと思います。