鍼灸院のブログ

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新しいことをする

たまたまブログのリンクから”消毒”に関するページにたどり着きました。
http://www.wound-treatment.jp/

一言で言えば、傷の治療には消毒が必ず必要である、
という常識を疑い、検証を繰り返した結果、正しいと確信に至ったそうです。
そういえば、少し前に上梓された本が話題になっていたように思います。

私の前の勤め先でも、火傷の患者さんがいて、
その患者さんは急性期を過ぎるとサランラップを創部に巻いているだけで、
消毒など行われていませんでした。
それでも、きれいなピンク色の肉芽が形成されていました。

一方、勤め先で火曜日に医師は全員参加だった勉強会で、
(他職種も強制参加でしたが…)、
この消毒に関して、30代の若手医師が発表していました。
(おそらく、前の研修先から引っ張ってきたんでしょうね)。

それに対して、勤め先の名誉顧問で銀座でクリニックを開業している老舗の医師が、
徹底的に反論していました。
老舗の医師は「ともかく消毒が必要なんです」、
という言葉を連呼していました。
当時職種的に言って、消毒などほぼ関わりがなかったのですが(感染など以外は)、
理論的に反論できなくなると、その言葉を連呼していた老舗医師は、
科学者というより街角の選挙立候補者のようでした。
その先生は日本で一番有名な国立大学を卒業している医師です。

結局整形外科のトップは40代で若く、とても優秀な医師だったので、
その後整形外科では手術後3日過ぎからは消毒をしないようになっていきました。

消毒の話はさておき、このサイトにたどり着いた関連サイトによると、
この本の著者の言葉で、
”専門家が一番先入観を捨てにくい”、
という言葉があって、確かにそうだなーと思いました。

今でこそ、ほとんど無料で玉石混合であるものの多数の情報が得られるようになりましたが、
メディアが少なかった時代は、自分の職場や地域で行われていることが、
自分の常識になっていたと思います。

おそらく上記の老舗の医師も、
自分の働いていた環境で消毒に関して疑いを持つ人がいなかった、
(特殊な研究をしている人ほど、当たり前のことに疑いを持てないのはよくあること)。
そしてそのまま数十年の時を過ごしてきていて、
今更それを否定してしまうことは、自身の何十年かを否定するように考えてしまうのでないでしょうか。

私も病院で理学療法士として働いているときは、
マッサージを否定していました。
それは自分の卒業した学校の学科長の口癖が、”マッサージは理学療法ではありません”、
だったからで、それに洗脳されていました。
その学科長が養成校に通っていた時代は、
まだ英語でできたテキストしかなく、それを和訳しながら勉強し、
懸命に科学的に実証するアプローチを求め続けていたにもかかわらず、
地方の病院などに行くと、”あっ、マッサージでしょ、ちょっと揉んでよ”
などという理系で大学院まで出ていたのに、
こういう屈辱的な言葉を浴びせられているという事が多くあったからでしょう。
(病院は温泉旅館じゃねーんだ!、と叫びたかったことでしょー)

しかし、自分がマッサージ師の資格をとるべく、
マッサージに取り組んでみると、これはとんでもなく深い世界でした。
マッサージだけで、薬で取れない症状を取ってしまう人もいます。
症状が取れると、あら何故か病気と言われていたものも治ったりとか。

簡単に言えば、
澄まし汁一杯つくるのでも、家庭料理と料亭のものは、
雲泥の差がありそうですよね(味にも手間にも)。

どうも一般でマッサージ店が跋扈しすぎて、
こういう医療的な手技療法が割りを食っている感がありそうです。
私も新しい道に入らなければ、
理学療法>マッサージ
的な考えをずっと持ち続けていたと思います。
(それにしてもマッサージという言葉は風俗店なども使うほど慰安イメージが強すぎるので、イメージを変えるのは難しそうです)

話がそれましたが、
消毒にせよ、マッサージにせよ、
長く携わっている期間が長いほど、
新しい考え方をするのは大変なわけです。

昔のいい所を残しつつ、
新しい所を取り入れていけるような、
そういうふうにできればいいのですがねー。