鍼灸院のブログ

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薬ってⅡ

連続更新です。というか事務仕事がはかどらないので、その合間に。

薬についての認識は人によって様々です。

・熱が出たから風邪薬
・セキがとまらないからセキ止め
・腰が痛いからシップ

このあたりがよくあるラインだと思うのですが。

・シビレが止まらないけど、いい薬はないか。

この辺りもまあまあという感じです。
(勉強不足もありますが、シビレにとても効果がある薬は聞いたことがないです)。

・手が麻痺して動かなくなったけど、薬が効かない

この辺りが、キター!って感じです。
麻痺した筋肉が再び働くようになったとしても、
神経と筋肉の連結に対して再教育が必要だったり、
麻痺している間に低下した筋力を回復させなければいけないので、
薬を飲んで効くものではありません。

こういう認識の背景にあるのは何かと考えたのですが、
「人間は基本的に楽をしたい生き物である」
という所が根本にありそうです。

困ったことがあったら、ドラえもんが四次元ポケットから道具を出して助けてくれる、
のように、トラブルに当ったとき、何事も一瞬で楽に解決したいと思うのです。
私もそういう幻想にとらわれたことがあり、何度違う方向を見たりしたことか。

結局、病気でも何でも、マイナスの状態を好転させるには、
本人の努力がそれなりに必要だと思うんです。
いまさら言うまでもないことですが、
世の中の目利きというのは、こういう心理をうまく商売に生かしているようです。

ダイエット、美容あたりがよくあるケースで、
食べてよくなる、通ってよくなる、
なーんて楽でいいですよね。
私も今、カロリー計算しながら減量を試みてますが、
お腹がすいてつらいなー、と思うことがあります。

薬も結局同じですね。
薬のすごい所は、
「特定の症状に対しては、短期的に効果を表す」、
ということです。

この「特定の症状」という所と、「短期的に」という所がポイントで、
薬は病気そのものを治すというより、症状を改善させる、
また、効果は持続的とは限らない、ということです。

長期的に薬を飲んだらどうなるか。
甘い食べ物は、血糖値を上げて、一時的に疲労を回復させ、ストレスを軽減させる、
としても、毎食相当量を食べ続けたらどうなるか。
ということですよね。

もし薬が保険でなく実費だとしたら、長期的に飲み続けられるか、
病院に行って、3時間待って3分診察で、薬が出なかったら病院に通い続けるのか、
なんてことも考えられます。

最後に、私は薬を否定している訳ではありません。
問題は、道具(薬)自体にあるのではなく、
道具を使う側にあるのだと思うのです。