鍼灸院のブログ

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物事を全体として捉える

現代の医学が、一般の人が抱える不定愁訴を必ずしも取り除けない理由の一つとして、人の身体(時には精神も含め)を部分で見てしまうからというのが挙げられます。

骨折したそれをつなぐ、胃の一部に癌細胞があるから取り除く、のように外科的に見ると部分で見ていくというのは確かに分かりやすいです(手術するときは、合併症や全身状態も検査で見てはいるけど)。

ただ肩こり、不眠、頭痛、腰痛、お腹を下しやすいなどの訴えがあって、一つ一つの症状に薬や湿布を処方していては、どんどん薬が増えていきます。

東洋医学は人の身体の傾向を”証(しょう)というものでまとめて全体的に見たりします。ただ東洋医学の考え方は、一貫したものがなく千差万別だったり、現代の科学から見ると、占い風に見えてしまうのは否めない所があります。それでも身体を全体的に見るという考え方は大切であると思います。

先の例で言えば、仕事でパソコンの使いすぎで肩がこる、肩がこると脳へ向かっている大きい動脈が圧迫されて脳に血が行きにくくなる。そうすると脳に血を一生懸命送り込もうとし、その分消化器系に血液が行きにくくなるので下痢をする。お腹の調子がさえず、食生活が不安定になり、睡眠時間も不規則になり不眠。不眠で姿勢が悪くなり、腰痛発生みたいな感じですかね。

これはかなり強引に作っている感がありますが、東洋医学もちょっとそういう強引なところがあったりします。それでもピタリとはまって効果が出てしまったりもします(もちろん個人の腕もありますが…)。

それはともかく、その人の生活習慣、行動パターンなども含め、症状を全体的により的確に分析できるになればよいな、と先ほど患者さんを診ていて思ったりしました。